A さん(88 歳、男性)は妻(82 歳)と2人で暮らしている。
息子2人は独立して生活している。
要介護度は5で、エアマットレスを使用している。
食事は妻の介助で1日1回ペースト食を食べているがむせることもあり、食事が全くとれない日もある。
排泄はオムツを使用し、毎日訪問介護サービスを利用して、オムツ交換と陰部洗浄を受けている。
訪問看護は週3回利用している。
A さんは妻が話しかけると返事はするが自発的な会話はない。
着替えをするときに上肢を動かすと苦痛表情がある。
A さんの家族への助言で適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
A さんは88歳、要介護5で寝たきりに近く、ペースト食を1日1回食べていますが、むせがあり全く食べられない日もあります。
介護者は82歳の妻で、A さんは上肢を動かすと苦痛表情があります。
誤嚥性肺炎の予防と、高齢の妻の負担や A さんの苦痛に配慮した助言が求められます。
【選択肢別解説】
1:× A さんは体圧分散性の高いエアマットレスを使っているので、体位変換の間隔は4時間程度まで延ばせるとされています。
82歳の妻が昼夜2時間ごとに行うのは負担が大きく、動かすと苦痛のある A さんにもつらいため、適切な助言ではありません。
2:× 関節拘縮の予防には、関節可動域訓練を痛みのない範囲で毎日行うことが望まれます。
1週間に1回では頻度が少なく、拘縮の予防には不十分です。
3:× A さんはむせがあり、食べられない日もあるほど摂食・嚥下の力が低下しています。
回数を増やすと誤嚥の危険と A さんの疲労が増え、妻の負担も大きくなります。
食事は A さんの状態に合わせて無理のない範囲で勧めます。
4:○ 食事をとらないと唾液の分泌が減り、口の中の自浄作用が落ちて細菌が増えやすくなります。
むせのある A さんは、細菌を含む唾液を誤嚥して誤嚥性肺炎を起こしやすい状態です。
食事の有無にかかわらず口腔ケアを続けることで、肺炎の予防と口の乾燥による不快感の軽減につながります。
【ポイント】
経口摂取をしていない人ほど、口腔内は汚れやすく口腔ケアが重要です。
在宅療養では、家族が無理なく続けられ、本人の苦痛を増やさない方法を選んで助言します。