正答1
解説
正解は1です。
この問題は、加齢による消化器系の変化を問うています。
高齢になると、消化管の運動や消化液の分泌など、消化器の多くの機能が低下します。
特に大腸の蠕動運動の低下は、高齢者の便秘の大きな原因になります。
【選択肢別解説】
1:○ 加齢により腸管の平滑筋や神経の働きが弱まり、大腸の蠕動運動が低下します。
便が大腸に長くとどまって水分が吸収されるため、便秘になりやすくなります。
2:× 加齢により膵臓の外分泌機能は低下し、膵液分泌量は増加ではなく減少します。
そのため脂肪などの消化能力が低下します。
3:× 加齢により唾液腺が萎縮し、唾液分泌量は増加ではなく減少します。
口腔の乾燥や咀嚼・嚥下のしにくさにつながります。
4:× 胃粘膜の萎縮は高齢者に多くみられますが、主な原因はヘリコバクター・ピロリ感染による萎縮性胃炎と考えられています。
ピロリ菌に感染していない人では、加齢だけで胃粘膜が大きく萎縮することは少ないとされます。
そのため、老化そのものに伴う変化とはいえないと判断され、正答には含まれていません。
【ポイント】
高齢者の便秘には、蠕動運動の低下に加えて、腹筋力の低下、水分や食物繊維の不足、活動量の減少、薬の副作用が関わります。
教科書によっては胃粘膜の萎縮を加齢変化に挙げるものもあり、迷いやすい肢です。
感染による病的な変化と区別し、確実に加齢変化といえる大腸の蠕動運動の低下を選びます。
加齢による変化は「多くの消化機能が低下する」方向で整理しておきましょう。