正答3
解説
正解は3です。
胃切除術後に数年たってから起こる貧血の原因を問う問題です。
ビタミンB12は、胃の壁細胞から分泌される内因子と結合し、回腸で吸収されます。
胃を切除すると内因子がつくられず、ビタミンB12が吸収できなくなります。
【選択肢別解説】
1:× ビタミンAが欠乏すると、夜盲症や皮膚・粘膜の乾燥が起こります。
貧血の原因にはなりません。
2:× ビタミンB1が欠乏すると、脚気やWernicke(ウェルニッケ)脳症が起こります。
貧血の原因にはなりません。
3:○ 正しいです。
ビタミンB12は肝臓に数年分が蓄えられているため、胃切除後すぐには欠乏せず、5年前後たってから不足します。
DNAの合成が妨げられ、大きく未熟な赤血球ができる巨赤芽球性貧血になります。
4:× ビタミンCが欠乏すると壊血病が起こり、歯肉出血や皮下出血などが見られます。
胃切除後に特有の欠乏ではありません。
5:× ビタミンKが欠乏すると、血液凝固因子がつくられず出血傾向になります。
胃切除後に数年たってから起こる貧血の原因ではありません。
【ポイント】
胃切除後の貧血には、術後早期から起こる鉄欠乏性貧血(胃酸の減少で鉄の吸収が低下)と、数年後に起こる巨赤芽球性貧血(ビタミンB12欠乏)があります。
ビタミンB12の欠乏が判明したら、吸収経路を必要としない筋肉内注射で補充します。