A さん(43 歳、経産婦、専業主婦)は夫(45 歳、会社員)と男児( 2 歳)と 3 人暮らしである。
妊娠 18 週 5 日。
A さんは「体がだるいですね。子どもの世話をするだけで疲れてしまうので、なるべく寝て過ごすようにしています」と言う。
身長 160 cm、体重 65 kg(非妊時体重 62 kg)、血圧 132/80 mmHg。
Hb 10.4 g/dL、Ht 32.7 %。
随時血糖 92 mg/dL。
尿蛋白(−)、尿糖(−)。
子宮頸管長 35 mm。
A さんの妊娠経過の診断で正しいのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
Aさんは43歳の経産婦で、妊娠18週5日です。
Hb 10.4 g/dL、Ht 32.7%で、だるさを訴えています。
妊娠中の貧血の基準は、Hb 11.0 g/dL未満またはHt 33.0%未満です。
【選択肢別解説】
1:○ Hb 10.4 g/dL、Ht 32.7%はいずれも基準を下回っており、貧血と診断されます。
だるさや疲れやすさも貧血の症状と考えられます。
2:× 切迫流産ではありません。
切迫流産は妊娠22週未満に性器出血や下腹部痛がみられる状態で、Aさんにはこれらがなく、子宮頸管長も35 mmと保たれています。
3:× 妊娠糖尿病ではありません。
随時血糖92 mg/dLは正常で、尿糖も陰性です。
4:× 妊娠高血圧症候群ではありません。
血圧132/80 mmHgは高血圧の基準(140/90 mmHg以上)を下回っています。
【ポイント】
妊娠中は循環血液量が増え、とくに血漿量の増加が大きいため、血液が薄まった状態(水血症)になります。
これに鉄の需要増加が重なると鉄欠乏性貧血になりやすく、鉄分の多い食事や鉄剤で対応します。