A さん(26 歳、初妊婦)はこれまで妊娠歴はなく、既往歴、家族歴に特記すべきことはない。
非妊時の体重 42 kg、身長 165 cm である。
妊娠 8 週に少量の性器出血がみられた。
その後、性器出血はない。
妊娠 20 週 1 日に妊婦健康診査のために産科外来を受診した。
妊婦健康診査の結果は次のとおりである。
体重 44 kg。
血圧 118/68 mmHg。
尿蛋白(−)、尿糖(−)。
児頭大横径〈BPD〉は 46.0 mm。
今後の A さんの妊娠経過中、リスクが高いのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
Aさんは非妊時の体重42 kg、身長165 cmで、妊娠前のBMIは約15.4のやせです。
妊娠20週1日の体重は44 kgで、非妊時から2 kg増えています。
【計算】
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
42÷1.65÷1.65=約15.4
BMI 18.5未満は低体重(やせ)に分類されます。
【選択肢別解説】
1:× 前置胎盤のリスク因子は、帝王切開の既往、子宮の手術歴、多産、高年妊娠、喫煙などです。
初妊婦のAさんにはこれらがなく、妊娠8週の少量の出血もリスク因子にはなりません。
2:× 羊水過多は、糖尿病や胎児の消化管閉鎖などで起こります。
Aさんには尿糖もなく、羊水過多のリスクが高い状況ではありません。
3:× 妊娠糖尿病のリスク因子は、肥満、糖尿病の家族歴、高年妊娠などです。
やせのAさんではリスクは高くありません。
4:○ 妊娠前のやせと妊娠中の体重増加不良は、胎児発育不全の重要なリスク因子です。
母体の栄養が不足すると、胎児への栄養供給も不足するためです。
【ポイント】
妊娠前のやせは、胎児発育不全や早産、低出生体重児のリスクを高めます。
低出生体重で生まれた児は、将来生活習慣病になりやすいとする考え方(DOHaD)もあり、妊娠前からの栄養状態の改善が重要です。