A さん(30 歳、初産婦)は妊娠 40 週 5 日、病院に電話し「破水しました。お腹の張りはありますが、12〜15 分くらいの間隔で不規則です」と話した。
30 分後に病院に到着し、クスコ式腟鏡で診察し、BTB 試験紙は青色を示した。
その後、分娩監視装置が装着された。
12〜15 分に 1 回の子宮収縮があり、胎児心拍数基線 150 bpm、基線細変動は正常で、軽度の変動一過性徐脈が 1 回みられた。
体温 37.2 ℃、脈拍 80/分、内診所見は子宮口 2 cm 開大、展退度 30 %、Station −2。
昨日、妊婦健康診査を受診しており、超音波検査にて推定胎児体重 3,900 g、羊水ポケットは 3 cm であった。
A さんは 3,800 g の児を吸引分娩で出産した。
会陰縫合時、肛門括約筋までの会陰裂傷が観察された。
分娩後 1 時間が経過し「おしりがズキズキと痛いです。便が出るような気がします」と訴えた。
子宮底は臍高。
恥骨結合部の溝が触知されない。
このときに考えられるのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
Aさんは3,800 gの児を吸引分娩で出産し、肛門括約筋まで及ぶ会陰裂傷を縫合しました。
分娩1時間後に、おしりのズキズキした痛みと便が出そうな感覚(肛門の圧迫感)を訴えています。
【選択肢別解説】
1:○ 吸引分娩や大きな児の分娩では、腟壁の血管が損傷して血腫ができやすくなります。
腟壁血腫が大きくなると、強い会陰部の痛みと肛門の圧迫感を訴えます。
2:× 子宮内反症では、子宮底が触れなくなり、大量出血とショック症状がみられます。
Aさんは子宮底を臍高に触れており、当てはまりません。
3:× 会陰裂傷Ⅳ度は、肛門括約筋に加えて直腸粘膜まで裂けたものです。
肛門括約筋までの裂傷はⅢ度であり、縫合後の新たな症状の説明にもなりません。
4:× 恥骨結合離開では、恥骨結合部の痛みや歩行困難があり、恥骨結合部に溝(離開)を触れます。
溝が触知されないため、当てはまりません。
【ポイント】
分娩後の外陰部の強い痛みや肛門の圧迫感は、腟壁血腫・外陰血腫を疑う重要なサインです。
外から見えない血腫は出血量に反映されないため、痛みの訴えとバイタルサインを注意深く観察します。