A さん(38 歳、初産婦)は妊娠 34 週 1 日、妊婦健康診査でかかりつけの産婦人科を受診した。
「最近、足のむくみが気になります」と訴えている。
身長 160 cm、体重 65 kg で 2 週前から 6 kg 増加している。
血圧 138/94 mmHg、尿蛋白(−)、浮腫+。
超音波検査で推定胎児体重 1,660 g(−1.9 SD)、30 分間の観察で呼吸様運動を 1 回、体幹の動きを 3 回、四肢の伸展屈曲運動を 1 回みとめ、羊水ポケット 3 cm、子宮頸管長 30 mm であった。
子宮収縮の自覚はあり、時折、痛みを感じることがある。
胎児心拍数陣痛図(別冊No. 2)を別に示す。
A さんから「頭が痛くて目がチカチカする」とナースコールがあり、助産師が訪室した。
意識は清明、体温 37.4 ℃、血圧 168/110 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98 %(room air)である。
このときの助産師の対応で正しいのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答2・3
解説
正解は2と3です。
入院中のAさんが頭痛と目のチカチカ(閃輝暗点)を訴え、血圧は168/110 mmHgと重症域の高血圧です。
これは子癇の前ぶれとなる症状で、けいれん発作を予防する対応を急ぐ必要があります。
【選択肢別解説】
1:× SpO2は98%(室内気)で保たれており、現時点で酸素投与の必要はありません。
けいれんが起きた場合には、気道確保と酸素投与を行います。
2:○ 光や音の刺激は子癇発作の誘因になるため、部屋を暗くして静かな環境を整えます。
3:○ 重症高血圧は脳出血や子癇の原因になるため、医師の指示で直ちに降圧できるよう降圧薬を準備します。
あわせて、発作予防の硫酸マグネシウムの準備も必要になります。
4:× 水分摂取を促す根拠はありません。
妊娠高血圧腎症では血管透過性が高まっており、過剰な水分は肺水腫の原因になることがあります。
5:× 鎮痛薬で頭痛を抑えると、子癇の前ぶれである症状がわからなくなります。
頭痛の原因である高血圧への対応が優先です。
【ポイント】
妊娠高血圧症候群の妊婦が頭痛・目のチカチカ・心窩部痛を訴えたら、子癇やHELLP症候群の前ぶれを疑います。
対応は「刺激を避ける(暗く静かに)」「降圧」「硫酸マグネシウムによる発作予防」です。