A さん(38 歳、女性、会社員、経産婦)は身長 162 cm、体重 82 kg、BMI 31.2、血圧 165/95 mmHg、毎日たばこを 10 本吸っている。
1 年前から月経痛が強くなってきたため婦人科を受診した。
「仕事が忙しいので毎日薬を飲むのは困る」と話す。
内診で骨盤内感染症が疑われた。
A さんは月経痛に対して、レボノルゲストレル放出子宮内システム〈LNG‑IUS〉を希望したが、挿入されなかった。
A さんにレボノルゲストレル放出子宮内システム〈LNG‑IUS〉を挿入できない理由はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
38歳の経産婦で、BMI(体格指数)31.2の肥満、血圧165/95mmHg、1日10本の喫煙があり、月経痛に対してレボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)を希望した場面です。
内診で骨盤内感染症が疑われ、LNG-IUSは挿入されませんでした。
【選択肢別解説】
1:× 肥満はLNG-IUSの禁忌ではありません。
肥満はエストロゲンを含む低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)で血栓症のリスクを高めるため、むしろLNG-IUSが選ばれやすい条件です。
2:× 高血圧はLNG-IUSの禁忌ではありません。
収縮期160mmHg以上などの重い高血圧はLEPの禁忌であり、エストロゲンを含まないLNG-IUSは使用できます。
3:× 喫煙もLNG-IUSの禁忌ではありません。
35歳以上で喫煙する女性はLEPで血栓症のリスクが高まりますが、LNG-IUSにはその問題はありません。
4:○ 骨盤内感染症がある、または疑われる場合は、子宮内への器具の挿入で感染が上行・悪化するおそれがあります。
そのためLNG-IUSの禁忌となり、感染の治療が終わるまで挿入できません。
【ポイント】
LNG-IUSは子宮内に黄体ホルモンを放出し、月経困難症や過多月経の治療、避妊に用いられます。
毎日の服薬が不要で、LEPを使えない高血圧・肥満・喫煙の女性にも選択できます。