A さん(35 歳、初妊婦)は、妊娠 20 週 0 日である。
身長 160 cm、体重 60 kg(非妊時体重 57 kg)、仕事は IT 関係の会社で週 5 日デスクワークをしている。
本日、助産師外来を受診し「姉が妊娠糖尿病だったので私もそうなるのではないかと心配している。つわりがおさまってから食欲が旺盛で食べ過ぎてしまう。どれくらい食べても大丈夫なのか相談したい」と話す。
妊娠初期の随時血糖は 92 mg/dL、ヘモグロビン A1c〈HbA1c〉は 5.2 % であった。
現在の A さんの推定エネルギー必要量で適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
35歳、妊娠20週0日(妊娠中期)で、IT関係の会社で週5日デスクワークをしている女性です。
出題当時の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を用いて、推定エネルギー必要量を求める問題です。
まず身体活動レベルを判定し、非妊娠時の値に妊娠中期の付加量を加えます。
【計算】
30〜49歳女性の推定エネルギー必要量は、身体活動レベルⅠ(低い)1,750kcal/日、Ⅱ(ふつう)2,050kcal/日、Ⅲ(高い)2,350kcal/日です。
食事摂取基準では、座位中心の仕事でも、通勤や買い物での歩行、職場内の移動、家事などを含む生活はレベルⅡとされます。
レベルⅠは、生活の大部分が座位で静的な活動が中心の場合です。
週5日通勤してデスクワークをするAさんは、レベルⅡと判断します。
妊娠中期(14〜27週)の付加量は+250kcal/日です。
2,050kcal/日+250kcal/日=2,300kcal/日となります。
【選択肢別解説】
1:× 1,700kcal/日は、非妊娠時のレベルⅠ(1,750kcal/日)よりも少ない値です。
妊娠中期の必要量としては少なすぎます。
2:× 1,900kcal/日は、レベルⅡの非妊娠時の値(2,050kcal/日)より少なく、付加量を加えたどの組合せにも当たりません。
仮にレベルⅠと判定しても、1,750kcal+250kcal=2,000kcal/日で、この値にはなりません。
3:× 2,100kcal/日は、レベルⅡの2,050kcalに妊娠初期の付加量(+50kcal)を加えた値です。
20週は妊娠中期なので少なすぎます。
4:○ レベルⅡの2,050kcalに、妊娠中期の付加量250kcalを加えた2,300kcal/日が推定エネルギー必要量です。
5:× 2,500kcal/日は、レベルⅡの2,050kcalに妊娠後期の付加量(+450kcal)を加えた値です。
20週は妊娠中期なので多すぎます。
【ポイント】
妊娠中のエネルギー付加量は、初期+50kcal、中期+250kcal、後期+450kcal、授乳期+350kcalです。
推定エネルギー必要量は目安なので、体重増加の推移を見ながら食事量を調整するよう指導します。