A さん(38 歳、初産婦)は妊娠 39 週 0 日、胎児機能不全のため緊急帝王切開を受け、男児(B ちゃん)を出産した。
羊水混濁は認めなかった。
児は生後 20 秒で手術台から蘇生台に到着したが全身にチアノーゼを認め、啼泣はなく、筋緊張の低下が認められた。
B ちゃんはマスクを用いた持続的気道陽圧〈CPAP〉療法を受けて呼吸状態は改善したが、呼吸補助療法が中止できないためマスクを用いた持続的気道陽圧〈CPAP〉 を継続しつつ NICU に入院して閉鎖式保育器に収容された。
入院時のバイタルサインは、体温 36.9 ℃、呼吸数 90/分、心拍数 160/分、経皮的動脈血酸素飽和度 〈SpO2〉97 %(room air)であった。
入院直後の呼吸を補助するためのケアで正しいのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・4
解説
正解は1と4です。
出生後の蘇生でマスクCPAP(持続的気道陽圧)を受けて改善したものの中止できず、NICUに入院した正期産児です。
入院時は呼吸数90/分の多呼吸がありますが、SpO2は97%(室内気)、体温や心拍数は安定しています。
【選択肢別解説】
1:○ 上体を挙上すると、腹部の臓器が下がって横隔膜が動きやすくなります。
肺が広がりやすくなり、呼吸の負担が軽くなります。
2:× 呼吸数90/分の多呼吸がある状態で哺乳すると、誤嚥の危険があります。
哺乳は呼吸状態が落ち着いてから始めます。
3:× 足底の皮膚刺激は、無呼吸発作のときに呼吸を促すために行う方法です。
多呼吸の児の呼吸を補助するケアではありません。
4:○ マスクCPAPでは空気が胃に入り込み、胃が膨らんで横隔膜を押し上げます。
胃管から胃内の空気を吸引すると、横隔膜の動きが改善し、嘔吐による誤嚥も防げます。
5:× SpO2は97%と保たれ、自発呼吸もあります。
バッグマスク換気が必要な状態ではありません。
【ポイント】
CPAP管理中は、胃管を留置して胃内の空気を抜く、体位を整えるといったケアで呼吸を助けます。
マスクや鼻プロングによる皮膚の損傷にも注意します。