A さん(25 歳、初産婦)は、10 年前にてんかんと診断され、抗てんかん薬の内服で現在の病状は安定している。
妊娠 38 週 0 日で 3,800 g の男児を経腟分娩で出産した。
羊水混濁なし、Apgar〈アプガー〉スコアは 1 分後 8 点、 5 分後 9 点であった。
児は生後 2 時間、啼泣時に軽度の下顎、四肢のふるえがみられる。
努力呼吸や心雑音はない。
体温 37.0 ℃、呼吸数 50/分、心拍数 140/分、血圧 60/40 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98 %(room air)である。
この児で今後、気を付けなければならないのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・2
解説
正解は1と2です。
抗てんかん薬を内服している母親から、妊娠38週0日に3,800gで経腟分娩で生まれた児です。
生後2時間で啼泣時に下顎や四肢のふるえがみられますが、呼吸・循環・体温は安定しています。
【選択肢別解説】
1:○ 母体が内服していた抗てんかん薬は胎盤を通って児に移行しています。
出生で薬の供給が途絶えると、振戦、易刺激性、哺乳不良などの離脱症候群が現れることがあります。
2:○ 在胎38週で3,800gは、在胎週数に比べて大きい児(heavy for dates)です。
こうした児は新生児低血糖を起こしやすく、ふるえ(ジッターネス)は低血糖の症状でもあるため血糖の確認が必要です。
3:× 抗てんかん薬は先天性心疾患のリスクを高めます。
しかしこの児には心雑音がなく、SpO2も98%で、現時点で注意すべき所見はありません。
4:× 胎便吸引症候群は、胎便で混濁した羊水を吸い込んで起こります。
羊水混濁がないため考えにくいです。
5:× 新生児一過性多呼吸は、生後早期から多呼吸や陥没呼吸がみられる疾患です。
呼吸数50/分で努力呼吸もないため、当てはまりません。
【ポイント】
新生児のふるえは、低血糖、低カルシウム血症、離脱症候群、けいれんなどを区別して評価します。
手足を握ると止まるふるえはジッターネス、止まらない場合はけいれんを疑います。