A さん(36 歳、初産婦)は、胎児超音波検査は異常なく、妊娠経過は順調であり無痛分娩を希望している。
妊娠 40 週 5 日、陣痛発来し入院した。
医師がカテーテルを硬膜外腔に挿入し、テストドーズをカテーテルに注入し、母児ともに問題ないことを確認した。
その後、硬膜外麻酔を開始し、A さんの痛みは和らぎ、息苦しさはなかった。
コールドテストにて麻酔が効いている範囲を評価した。
2 時間後、A さんの内診所見は既破水、子宮口 3 cm 開大、展退度 50 %、 Station ±0 であった。
胎児心拍数陣痛図で、胎児心拍数は 60 bpm で 2 分間持続した。
このときの助産師の対応で正しいのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・3
解説
正解は1と3です。
硬膜外麻酔の開始2時間後、子宮口3cmの時点で胎児心拍数60bpmが2分間持続している場面です。
これは遷延一過性徐脈(高度)に当たり、硬膜外麻酔による母体の低血圧や仰臥位による子宮胎盤血流の低下が疑われます。
【選択肢別解説】
1:○ 側臥位などへの体位変換で、妊娠子宮による下大静脈や大動脈の圧迫が解除されます。
子宮胎盤血流が回復し、臍帯圧迫の解除も期待できます。
2:× 発熱など感染を示す所見はありません。
抗菌薬の準備は徐脈への対応になりません。
3:○ 高度の徐脈は胎児の低酸素状態を示すため、ただちに医師の診察が必要です。
母体の血圧の確認、輸液や昇圧薬の使用、急速遂娩の判断は医師と連携して行います。
4:× オキシトシンは子宮収縮を強め、胎盤への血流をさらに減らします。
徐脈がある場合は、使用中でも減量や中止を検討する薬剤です。
5:× 硬膜外麻酔薬を追加すると、交感神経の遮断が強まり、母体の血圧がさらに下がるおそれがあります。
徐脈の悪化につながるため、提案すべきではありません。
【ポイント】
硬膜外麻酔後の胎児徐脈は、母体の低血圧や子宮の過収縮が原因となることが多いです。
体位変換、母体の血圧測定、子宮収縮薬の中止、医師への報告を素早く行います。