A さん(34 歳、初産婦)は、妊娠 40 週 4 日。
妊娠中の経過は、母児ともに順調で推定胎児体重は 2,980 g である。
本日、午前 1 時から、10 分おきに子宮収縮が出現したため、午前 3 時に来院した。
入院から 12 時間後、内診所見は子宮口 9 cm 開大、展退度 100 %、Station +2 であった。
胎児は第 1 胎向、第 1 分類、胎児心拍数陣痛図の波形はレベル 1 である。
分娩室に入室して側臥位で過ごしているが、呼吸が乱れ全身に力が入っている。
児の出生から 15 分後に胎盤娩出した。
A さんは興奮気味で気分が高揚している様子である。
分娩時出血量は 320 mL であった。
1 時間値は体温 37.3 ℃、呼吸数 30/分、脈拍 84/分、血圧 108/68 mmHg、出血量 40 mL、子宮底の高さは臍高。
硬度はやや良好で、子宮底マッサージで良好となった。
このときの観察結果で正常から逸脱しているのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
初産婦の分娩後1時間の観察値から、正常から逸脱している項目を選ぶ問題です。
体温37.3℃、呼吸数30/分、脈拍84/分、血圧108/68mmHg、出血量40mLで、Aさんは興奮気味で気分が高揚しています。
【選択肢別解説】
1:× 分娩直後は、分娩時の筋肉運動や脱水の影響で体温が一時的に上がります。
38℃未満の37.3℃は正常範囲です。
2:○ 成人の正常な呼吸数は12〜20回/分です。
30回/分は頻呼吸で正常から逸脱しており、興奮による過換気や出血・感染などの可能性を考えて観察を続けます。
3:× 脈拍84/分は正常範囲です。
出血によるショックでは脈拍が100/分を超えて速くなります。
4:× 血圧108/68mmHgは正常範囲で、低血圧でも高血圧でもありません。
5:× 分娩後1時間の出血量40mLは少量です。
子宮底マッサージで子宮収縮も良好になっており、異常出血とはいえません。
【ポイント】
分娩後2時間は、弛緩出血や血腫などの異常が起こりやすいため、子宮収縮・出血量・バイタルサインを頻回に観察します。
ショックインデックス(脈拍÷収縮期血圧)が1以上なら、出血量が多いと考えて対応します。