A さん(22 歳、初妊婦)は、妊娠前に外陰部の腫瘤を自覚していたが、自然に消失したという。
産婦人科の初診時に梅毒血清反応と梅毒トレポネーマ抗体血清検査を行ったところ、いずれも陽性であった。
A さんへの治療で正しいのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・3
解説
正解は1と3です。
妊娠前に外陰部の腫瘤(硬性下疳と考えられる)が自然に消えた初妊婦で、梅毒の非トレポネーマ検査とトレポネーマ抗体検査がともに陽性の場面です。
未治療の梅毒感染と考えられ、先天梅毒を防ぐために速やかな治療が必要です。
【選択肢別解説】
1:○ 梅毒の治療薬の第一選択はペニシリン系抗菌薬です。
ベンジルペニシリンベンザチンの筋注やアモキシシリンの内服が用いられ、胎児への感染予防にも有効です。
2:× 梅毒は妊娠週数にかかわらず、診断がつきしだい直ちに治療を始めます。
治療を遅らせると胎児感染や先天梅毒のリスクが高まります。
3:○ 治療効果は、梅毒血清反応(RPRなどの非トレポネーマ検査)の抗体価の低下で判定します。
トレポネーマ抗体は治癒後も陽性が続くため、効果判定には使えません。
4:× 梅毒は主に性的接触で感染し、空気感染はしません。
陰圧室での隔離は不要です。
5:× 外陰部の腫瘤はすでに消失しています。
また梅毒は全身性の感染症で、副腎皮質ステロイド軟膏は治療になりません。
【ポイント】
妊婦健診の初期検査で梅毒をスクリーニングし、陽性ならパートナーの検査と治療も勧めます。
治療開始後に発熱や発疹が出るヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応があり、妊婦では子宮収縮に注意します。