A さん(40 歳、初産婦)は身長 158 cm、非妊時体重 53 kg。
自宅近くの B 診療所で妊婦健康診査を受けていたが、妊娠を機に仕事を辞め、妊娠 13 週のときに実家近くへ転居した。
妊娠 18 週 0 日、今後の妊娠・分娩管理を希望して C 病院を受診した。
A さんは「引っ越してバタバタしていましたが、今はゆっくり片付けをしています」と話した。
母子健康手帳の記載内容を以下に示す。
妊娠 32 週 0 日、A さんは「時々お腹が張るような感じがありますが休むと治まります。甘いものが食べたくなります」と話した。
妊娠 30 週 0 日と妊娠 32 週 0 日の母子健康手帳の記載内容を以下に示す。
妊娠 32 週 0 日に実施が必要な検査項目はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
母子健康手帳の表では、妊娠32週の受診で浮腫(+)、尿蛋白(2+)、尿糖(−)となっています。
血圧は124/62mmHgで正常ですが、30週までは陰性だった尿蛋白が2+に増えています。
【選択肢別解説】
1:× 75gOGTTは、現時点で必要な検査ではありません。
26週の50gGCTは陰性で、尿糖も陰性です。
甘いものが食べたいという発言だけでは実施の根拠になりません。
2:× 子宮頸部細胞診は、妊娠初期の検査として行うものです。
妊娠32週に新たに必要となる検査ではありません。
3:○ 尿蛋白/クレアチニン比の検査が必要です。
試験紙法で尿蛋白2+が出たため、随時尿の蛋白/クレアチニン比で蛋白尿を定量的に評価します。
0.3g/gCr以上であれば蛋白尿と判断し、妊娠高血圧症候群の発症にも注意して経過をみます。
4:× GBS(B群溶血性連鎖球菌)のスクリーニングは、妊娠32週では早すぎます。
分娩時の保菌状態を反映させるため、妊娠35〜37週ころに行います。
【ポイント】
妊娠中の蛋白尿は、24時間蓄尿で300mg/日以上、または蛋白/クレアチニン比0.3g/gCr以上で診断します。
高血圧を伴わない蛋白尿でも、のちに妊娠高血圧腎症へ移行することがあるため、血圧の推移を観察します。