A さん(48 歳、未産婦)は身長 160 cm、体重 45 kg、BMI 17.6。
初経 12 歳。
元来、月経周期は 45〜60 日で不規則である。
35 歳のときに婦人科医院を受診し多囊胞性卵巣症候群、子宮筋腫と診断されたが、その後は自己判断で通院していない。
2 年前に甲状腺機能亢進症と診断され、内科医院に通院し内服治療中である。
半年前から不正性器出血があり、かかりつけの内科医に相談したところ、子宮体癌の疑いがあると言われた。
A さんは子宮体癌と診断され、子宮全摘術と両側付属器切除術を受けた。
定期的な経過観察のみで、術後 3 か月が経過している。
現時点で A さんに認められる症状で最も考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
Aさんは48歳で、月経がまだある時期に子宮全摘術と両側付属器切除術を受けました。
両側の卵巣を摘出すると、エストロゲンが急激に低下する外科的閉経となり、術後早期から更年期症状が現れます。
【選択肢別解説】
1:× 尿失禁は術後3か月の時点で最も考えられる症状ではありません。
エストロゲン低下による尿道周囲組織の萎縮は、より長い期間を経て現れます。
2:○ ほてりが最も考えられます。
エストロゲンの急激な低下により、体温調節中枢が不安定になり、ほてりやのぼせ、発汗などの血管運動神経症状が術後早期に出現します。
3:× 腟の搔痒感は、萎縮性腟炎によって生じる症状です。
腟粘膜の萎縮は、エストロゲン欠乏が長く続いてから現れることが多い症状です。
4:× 記銘力の低下は、術後3か月で最も考えられる症状ではありません。
エストロゲン欠乏と認知機能の関連は指摘されていますが、早期の典型的な症状ではありません。
【ポイント】
エストロゲン欠乏の症状は、早期にほてり・発汗、中期に腟の乾燥や萎縮・尿失禁、長期に骨粗鬆症や脂質異常症が現れる順で整理します。
外科的閉経は自然閉経より症状が急激で強く出やすいことも押さえておきます。