A さん(28 歳、 1 回経産婦)は無月経に気付き受診し、妊娠 8 週と診断された。
視診で会陰部や腟内に乳頭状の疣贅を認めた。
腟鏡診では子宮頸部に病変は認めない。
A さんは「 3 か月ほど前から外陰部が痒くなりました」と話している。
その後、A さんの疣贅は消失し、妊娠経過に異常はなかった。
妊娠 35 週で児の推定体重は 2,360 g であった。
妊娠 36 週 3 日、 1 時から陣痛発来し 2 時に入院した。
子宮口 6 cm 開大、展退度 80 %、Station −1 で児頭が先進している。
胎児心拍数陣痛図は reassuring fetal status であった。
助産師は問診と診療録から、第 1 子が B 群溶血性連鎖球菌〈GBS〉感染症であったこと、妊娠 35 週時の B 群溶血性連鎖球菌〈GBS〉感染症検査は実施していないことを確認した。
このときの A さんに適用されるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
妊娠36週3日で陣痛が発来しており、早産での分娩となります。
さらに第1子がB群溶血性連鎖球菌(GBS)感染症であったこと、今回のGBS検査は未実施であることが重要な情報です。
【選択肢別解説】
1:× GBSの母子感染予防のために帝王切開を行う必要はありません。
分娩時に抗菌薬を投与すれば経腟分娩が可能です。
2:× 妊娠中のGBS細菌尿は抗菌薬投与の適応になりますが、本例はすでに分娩が進行しています。
培養の結果を待つ時間はなく、既往歴から抗菌薬投与の適応は明らかです。
3:× 子宮口6cmまで陣痛が順調に進行しており、陣痛促進薬を使用する理由はありません。
4:○ 前児がGBS感染症であった場合は、今回の検査結果にかかわらず、分娩時にペニシリン系抗菌薬を点滴静脈内注射します。
GBS検査が未実施で37週未満の早産であることも、抗菌薬投与の適応です。
【ポイント】
分娩時のGBS予防的抗菌薬投与の対象は「妊娠35〜37週の検査で陽性」「前児がGBS感染症」「今回の妊娠中にGBS細菌尿」「検査結果不明で早産や破水後18時間以上、発熱がある場合」です。
抗菌薬は分娩の4時間以上前に開始することが望ましいとされています。