A さん(28 歳、 1 回経産婦)は既往歴、家族歴ともに特記すべきことはない。
妊娠 11 週 0 日に妊婦健康診査のため産婦人科を受診した。
身長 155 cm、体重 40.3 kg(非妊時体重 40 kg)で 2 週前から 300 g 増加している。
血圧 100/68 mmHg、下肢の浮腫(−)、尿蛋白(−)、尿糖(−)、尿ケトン体(−)、胎児心拍動を確認している。
A さんは助産師に「何か食べていないと気持ち悪くなります。そうめんとオレンジばかり食べています。水分は無糖の炭酸飲料で摂っています」と話す。
妊娠 22 週 6 日、A さんは妊婦健康診査に来院した。
体重 41.3 kg、血圧 106/73 mmHg、下肢の浮腫(−)、尿蛋白(−)、尿糖(−)、腹囲 75 cm、子宮底長 17 cm、推定胎児体重 500 g。
下腹部痛や性器出血はない。
A さんは助産師に「空腹時の気持ち悪さはなくなりました。妊娠前の食生活に戻っています。もともと 1 日 2 食でした」と話す。
今後、A さんと胎児に考えられる健康のリスクはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
Aさんは身長155cm、非妊時体重40kgで、BMIは約16.6の低体重(やせ)です。
妊娠22週6日の体重は41.3kgで、非妊時からの増加はわずか1.3kgにとどまっています。
もともと1日2食で、つわりが治まった後も食生活は変わっていません。
【選択肢別解説】
1:× 胎児貧血は、血液型不適合妊娠やパルボウイルスB19感染などで起こります。
母体の低体重や体重増加不良が直接の原因にはなりません。
2:× 羊水過多は、妊娠糖尿病や胎児の消化管閉鎖などで起こります。
Aさんにはこれらのリスク因子はありません。
3:× 妊娠糖尿病のリスク因子は、肥満、糖尿病の家族歴、高年妊娠などです。
低体重のAさんではリスクは高くありません。
4:× 妊娠高血圧症候群のリスク因子は、肥満、高年妊娠、初産、高血圧の既往などです。
低体重は妊娠高血圧症候群のリスク因子ではありません。
5:○ 非妊時の低体重と妊娠中の体重増加不良は、胎児への栄養供給が不足し、胎児発育不全(FGR)の原因となります。
低出生体重児や早産のリスクも高まります。
【ポイント】
妊娠中の体重増加の目安は、非妊時に低体重(BMI18.5未満)の場合は12〜15kgとされています。
1日3食で必要なエネルギーと栄養素がとれるよう、具体的な食事指導を行います。