A ちゃん(生後 2 時間、男児)の母親(経産婦)は妊娠前から 10 本/日の喫煙をし、妊娠判明後も禁煙できなかったが、それ以外に妊娠、分娩経過で異常はなかった。
A ちゃんは在胎 40 週 3 日、自然分娩で出生した。
出生体重 2,520 g、身長 49.0 cm、頭囲 33.0 cm。
Apgar〈アプガー〉スコアは 1 分後 9 点、 5 分後 9 点。
出生後の全身状態は問題なく、生後 15 分から早期母子接触を開始している。
A ちゃんのバイタルサインは、体温 37.3 ℃、呼吸数 50/分、心拍数 160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97 %(room air)。
出生後まだ初回排尿、排便はみられていない。
現時点で注意すべき A ちゃんの病態はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
母親が妊娠中も喫煙を続けており、児は在胎40週3日で出生体重2,520gと、在胎週数に比べて小さく生まれています。
喫煙による胎盤の血流低下で胎児発育不全となった児と考えられ、現在は生後2時間です。
【選択肢別解説】
1:× 生理的黄疸は生後2〜3日ころから目立ち始めます。
生後2時間の時点で注意すべき病態ではありません。
2:○ 在胎週数に比べて小さい児は、肝臓のグリコーゲンの蓄えが少ないため、低血糖を起こしやすくなります。
出生後の血糖値は生後1〜2時間ころに最も低下するため、現時点で最も注意すべき病態です。
3:× 敗血症のリスク因子には、前期破水、母体発熱、GBS陽性などがあります。
本例にはそのような情報がなく、バイタルサインも安定しています。
4:× 生後2時間で初回排尿がないことは異常ではありません。
初回排尿は生後24時間以内にみられればよいとされ、急性腎不全を疑う状況ではありません。
5:× 新生児一過性多呼吸は、帝王切開などで肺水の吸収が遅れたときに、出生直後から多呼吸がみられるものです。
本例は経腟分娩で、呼吸数50/分、SpO2 97%と呼吸状態は安定しています。
【ポイント】
低血糖のリスクが高い児は「在胎週数に比べて小さい児」「糖尿病母体児」「早産児」「低体温の児」などです。
症状が乏しいこともあるため、リスクのある児は早期から血糖値を確認し、早期授乳を進めます。