A さん(39 歳、初産婦)は身長 158 cm、体重 58 kg、特記すべき合併症はない。
妊娠 41 週 3 日、予定日超過のため、オキシトシンの点滴静脈内注射による分娩誘発が 9 時から開始された。
A さんの分娩は順調に進行し、18 時に子宮口が全開大し、21 時に 3,720 g の女児を吸引分娩で出産した。
胎盤は自然娩出されたが、分娩後 30 分の時点で子宮腔内からの出血が持続している。
A さんの意識は清明で、バイタルサインは、体温 37.4 ℃、呼吸数 25/分、脈拍 102/分、整、血圧 98/61 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97 %(room air)である。
この時点で推測される出血量はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
分娩後30分の時点で子宮腔内からの出血が持続しています。
産科出血では出血量を正確に測ることが難しいため、ショック指数(SI)から出血量を推測します。
【計算】
ショック指数(SI)は、心拍数(脈拍)を収縮期血圧で割って求めます。
SI=脈拍÷収縮期血圧です。
SI=102÷98です。
SIは約1.0となります。
妊産婦ではSI1.0がおよそ1.5Lの出血に相当します。
【選択肢別解説】
1:× SIが1.0に達しているため、出血量は500mL未満ではありません。
2:× SIが約1.0であることから、出血量は1,000mL未満よりも多いと推測されます。
3:○ 妊産婦ではSI1.0が約1.5Lの出血に相当します。
そのため推測される出血量は1,000mL以上、2,000mL未満です。
4:× SI1.5が約2.5Lの出血に相当します。
本例のSIは約1.0で、2,000mL以上と推測される状態には達していません。
【ポイント】
妊産婦では循環血液量が増加しているため、出血しても血圧が保たれやすく、出血量を過小評価しがちです。
「SI1.0で約1.5L、SI1.5で約2.5L」と覚え、SI1.5以上は産科危機的出血として対応します。