A さん(39 歳、初産婦)は身長 158 cm、体重 58 kg、特記すべき合併症はない。
妊娠 41 週 3 日、予定日超過のため、オキシトシンの点滴静脈内注射による分娩誘発が 9 時から開始された。
15 時の内診所見は、児頭が先進し、子宮口 7 cm 開大、展退度 80 %、Station −1、陣痛発作時に胎胞が緊満して触れた。
子宮収縮は 10 分間で 6 回ある。
胎児心拍数陣痛図で、胎児心拍数基線 150 bpm、基線細変動 10 bpm、最下点が 70 bpm で回復まで 3 分 30 秒の一過性徐脈がみられた。
このときの A さんへの対応で適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
オキシトシンによる分娩誘発中に、子宮収縮が10分間に6回と過多になっています。
胎児心拍数陣痛図では、最下点70bpmで回復まで3分30秒かかる一過性徐脈がみられ、高度の遷延一過性徐脈と判断できます。
【選択肢別解説】
1:× 子宮口は7cm開大で全開大していないため、努責を促す時期ではありません。
努責は胎児への負担をさらに増やします。
2:× 子宮収縮の過多と高度な遷延一過性徐脈がみられ、経過観察で済む状態ではありません。
速やかに原因に対処する必要があります。
3:× 人工破膜は、Station −1で児頭が十分に下降していない状態では臍帯脱出の危険があります。
また子宮収縮の過多と胎児心拍の異常の改善にはつながりません。
4:× 吸引分娩は子宮口が全開大し、児頭が十分に下降していることが条件です。
子宮口7cm、Station −1では行えません。
5:○ 一過性徐脈の原因は、オキシトシンによる子宮収縮の過多と考えられます。
まずオキシトシンを中止して子宮収縮を減らし、体位変換などで胎児の状態の回復を図ります。
【ポイント】
子宮収縮薬の使用中に過強陣痛(10分間に5回を超える収縮)や胎児心拍数の異常が出現したら、まず子宮収縮薬を減量または中止します。
遷延一過性徐脈は、心拍数の低下が2分以上10分未満続くものです。