日齢 2 の新生児。
授乳後に排気とともに非胆汁性の嘔吐がみられた。
バイタルサインは、体温 37.4 ℃、呼吸数 50/分、心拍数 150/分。
オムツ交換をするとタール 便を排泄しており、Apt〈アプト〉試験を行うとすぐに暗褐色に変化した。
この所見から考えられる状態はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
日齢2の新生児のタール便の原因を、Apt(アプト)試験の結果から判断する問題です。
Apt試験は、便や吐物に含まれる血液が新生児自身の血液か、母体の血液かを鑑別する検査です。
【選択肢別解説】
1:× 壊死性腸炎は主に早産児にみられ、腹部膨満や胆汁性嘔吐、血便、全身状態の悪化を伴います。
本例はバイタルサインが安定しており、母体血を示す検査結果からも否定的です。
2:○ Apt試験では、アルカリを加えると成人型ヘモグロビンはすぐに褐色に変化し、胎児型ヘモグロビンは淡紅色のまま残ります。
本例ではすぐに暗褐色に変化したため、分娩時や授乳時に飲み込んだ母体の血液によるもので、仮性メレナと判断できます。
3:× 小腸閉鎖症では、胆汁性の嘔吐や腹部膨満、胎便排泄の遅れがみられます。
本例の嘔吐は非胆汁性で、タール便も母体血によるものです。
4:× 乳糖不耐症では、乳糖が消化されずに下痢や腹部膨満が起こります。
タール便の原因にはなりません。
5:× 新生児ビタミンK欠乏性出血症(真性メレナ)は、新生児自身の消化管出血です。
この場合、便中の血液は胎児型ヘモグロビンなので、Apt試験で淡紅色のまま変化しません。
【ポイント】
Apt試験は「すぐ褐色に変われば母体血で仮性メレナ、淡紅色のままなら児の血液で真性メレナ」と覚えます。
仮性メレナは治療を必要とせず、全身状態の観察を続けます。