在胎 30 週 2 日、緊急帝王切開で出生した男児。
新生児蘇生時に気管挿管と胃管挿入を行い、人工呼吸を継続しつつ NICU に入院した。
入院時の胸部エックス線写真(別冊No. 2)を別に示す。
また胃液のマイクロバブルテストの結果は very weak であった。
この疾患について正しいのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
在胎30週の早産児で、出生直後から人工呼吸を要しています。
胃液のマイクロバブルテストが very weak であることは、肺サーファクタントが不足していることを示し、呼吸窮迫症候群(RDS)と判断できます。
【図の読み取り】
胸部エックス線写真では、両側の肺野がすりガラス状に白く透過性が低下し、細かい網状・顆粒状の陰影が広がっています。
肺野の中に気管支が黒く浮き上がって見える気管支透亮像があり、心臓の輪郭も不鮮明です。
これらはサーファクタント不足で肺胞が虚脱したRDSの典型的な所見です。
【選択肢別解説】
1:× RDSは女児より男児に多い疾患です。
男児では肺の成熟が遅れる傾向があるためと考えられています。
2:× 気管洗浄は胎便吸引症候群などで行われることがある処置です。
RDSの治療は、人工肺サーファクタントの気管内投与と呼吸管理です。
3:× サーファクタントが不足すると肺胞が膨らみにくくなるため、肺のコンプライアンスは上昇ではなく低下します。
4:○ 母親が糖尿病の場合、胎児の高インスリン血症がサーファクタントの産生を抑制します。
そのため在胎週数に比べて肺の成熟が遅れ、RDSの発症リスクが高まります。
5:× RDSの発症予防に有効なのは、母体への抗菌薬ではなく副腎皮質ステロイドの投与です。
ステロイドは胎児の肺の成熟を促し、早産が予測される場合に分娩前に投与されます。
【ポイント】
RDSのリスク因子は「早産、男児、母体糖尿病、陣痛発来前の帝王切開、新生児仮死」です。
予防は母体へのステロイド投与、治療は人工肺サーファクタントの投与と押さえます。