A さん(32 歳、初産婦)は人工授精で妊娠した。
妊娠初期に頭殿長により予定日が決定された。
妊娠経過は良好。
妊娠 40 週6日、妊婦健康診査のため産婦人科医院を定期受診した。
身長 160 cm、体重 65 kg(非妊時体重 55 kg)、血圧 120/75 mmHg。
尿蛋白(−)、尿糖(−)。
腹囲 90 cm、子宮底長 34 cm。
Hb 11.0 g/dL、ヘマトクリット 35 %、白血球10,000/μL。
胎児推定体重2,800 g、AFI 15。
胎児心拍数陣痛図で子宮収縮3回/40分、胎児心拍数基線 130 bpm、基線細変動正常、一過性頻脈4回/40分、モニタリング中に最下点 120 bpm、持続 10 秒の心拍変動が1回あった。
胎児心拍モニタリング中に胎動を10回自覚するのに要した時間は 15 分であった。
現時点の妊娠経過のアセスメントで正しいのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
Aさんは人工授精で妊娠しており、妊娠初期の頭殿長で予定日が決められているため、妊娠週数は正確です。
妊娠40週6日の健診データを一つずつ評価します。
【選択肢別解説】
1:○ 血圧、尿所見、Hb、体重増加(10 kg)はいずれも正常範囲です。
胎児推定体重2,800 gと羊水量も正常範囲で、胎児心拍数陣痛図も反応型であり、母児ともに異常はありません。
2:× 胎動を10回自覚するまでの時間は15分です。
一般に2時間以内に10回の胎動を感じれば正常とされるため、胎動減少ではありません。
3:× 羊水量を示すAFI 15 cmは正常範囲(5〜24 cm)です。
羊水過多はAFI 25 cm以上で判断します。
4:× 胎児心拍数基線130 bpm、基線細変動正常で、一過性頻脈も4回あります。
130 bpmから120 bpmへの10秒間の低下は、一過性徐脈の基準(15 bpm以上の低下)を満たさず、胎児機能不全の所見ではありません。
5:× 妊娠中は白血球数が増加し、10,000/μL程度は正常範囲です。
異常な増多ではありません。
【ポイント】
健診データは、血圧・尿・体重・血液検査などの母体側と、胎児発育・羊水量・胎児心拍数などの胎児側に分けて評価します。
妊娠41週以降は胎盤機能の低下に注意し、胎児の健康状態の確認を強化します。