生後 15 分の新生児。
在胎 39 週0日、Apgar〈アプガー〉スコア1分後8点、5分後8点であった。
新生児蘇生法〈NCPR〉としてルーチンケアを行った後、インファントラジアントウォーマー下で観察を継続していたところ、生後 12 分ころから呻吟と陥没呼吸が出現したため、改めて気道開通の処置を行ったが呼吸状態は増悪傾向である。
バイタルサインは体温(腋窩温)36.8 ℃、呼吸数 50/分、心拍数 170/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉87% であった。
初期対応の選択として適切なのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答3・5
解説
正解は3と5です。
児は生後12分ころから呻吟と陥没呼吸が出現し、SpO2は87%に低下しています。
心拍数は170/分で100/分以上あり、自発呼吸もある状態です。
【選択肢別解説】
1:× 気管挿管は、バッグ・マスク換気が無効な場合や長期の人工呼吸が必要な場合に行います。
自発呼吸と十分な心拍がある現時点で、最初に選ぶ処置ではありません。
2:× 胸骨圧迫は、有効な人工呼吸を30秒行っても心拍数が60/分未満の場合に行います。
心拍数170/分の本事例では適応になりません。
3:○ 新生児蘇生法(NCPR)では、自発呼吸があり心拍数が100/分以上でも、努力呼吸と中心性チアノーゼ(低いSpO2)があれば酸素投与を検討します。
生後10分のSpO2の目標は90%台で、87%は低い状態です。
4:× バッグ・マスク換気は、無呼吸やあえぎ呼吸がある場合、または心拍数が100/分未満の場合に行います。
本事例は自発呼吸があり心拍数も保たれているため適応になりません。
5:○ 呻吟や陥没呼吸などの努力呼吸がある場合は、持続的気道陽圧(CPAP)で肺胞がつぶれるのを防ぎ、呼吸を助けます。
NCPRのアルゴリズムでは、努力呼吸とチアノーゼに対して酸素投与またはCPAPを行います。
【ポイント】
NCPRでは「呼吸と心拍数」で次の処置が決まります。
無呼吸か心拍数100/分未満なら人工呼吸、自発呼吸があっても努力呼吸やチアノーゼがあれば酸素投与かCPAPです。