A さん(45 歳、男性)は高校の国語教諭。
9 か月前の定期健康診断では特に異常はなかった。
1 か月ほど前から咳嗽が出現し、市販の咳止め薬で様子をみていた。
昨日から咳嗽が増強し、発熱もみられたため近医を受診したところ、胸部エックス線検査で異常陰影が認められ、呼吸器外来のある病院を紹介された。
喀痰塗抹抗酸菌検査陽性で結核菌 PCR 検査陽性が判明したため、感染性の肺結核と診断され、直ちに入院となった。
診断した医師から保健所へ発生届が提出された。
A さんの職場の高校では、教職員の結核発症を契機に平常時から適切な結核対策をとるため、保健所の指導を受けることとした。
保健所の保健師から高校への指導内容として適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
教職員の結核発症をきっかけに、高校が平常時からの結核対策について保健所の指導を受ける場面です。
学校での平常時の結核対策の基本は、健康診断で結核の疑いのある人を見つけ、確実に医療機関の検査につなげて早期に発見することです。
【選択肢別解説】
1:× BCG未接種の生徒や教職員に接種を勧奨するのは誤りです。
BCGは1歳未満の乳児を対象とする定期接種であり、生徒や成人に接種しても効果は期待できないため、勧められていません。
2:× 結核患者が発生したクラスで1週間の学級閉鎖を行うのは誤りです。
結核は学級閉鎖の対象ではなく、接触者健康診断で感染の有無を調べて対応します。
3:× 咳が長引く人にN95マスクをつけるよう指導するのは誤りです。
N95マスクは、医療従事者などが結核菌を吸い込まないために着用するものです。
咳のある人はサージカルマスクを着用し、早めに医療機関を受診するよう指導します。
4:× 毎年度の職員健康診断でインターフェロンγ遊離試験(IGRA)を全員に行うのは誤りです。
IGRAは、主に接触者健康診断で感染の有無を調べるために用いる検査です。
5:○ 胸部エックス線検査で要精密となった教職員に、速やかに専門医療機関での検査を促すよう指導するのは適切です。
精密検査を確実に受けてもらうことで、結核を早く見つけて治療を始め、生徒などへの感染の拡大を防げます。
【ポイント】
学校の結核対策では、健康診断での早期発見と、要精密者の確実な受診、咳が続く人の早期受診が重要です。