A さん(45 歳、男性)は製造業の B 社で営業職として勤務しており、妻と 2 人暮らしである。
定期健康診断の結果は、身長 175 cm、体重 80 kg、BMI 26.1、腹囲 80 cm、血圧 148/92 mmHg。
HbA1c 5.2 %、中性脂肪 90 mg/dL、LDL コレステロール 136 mg/dL、HDL コレステロール 45 mg/dL、血清尿酸値 5.5 mg/dL。
喫煙歴はなく、飲酒はビール 350 mL 程度を 1 回/週であり、先々月に産業保健師から減塩について説明を受けた。
A さんが B 社の健康管理室を訪室し「妻が来週から 2 週間、親の入院で家を空けることになりました。自分は料理が苦手なので、どうやって塩分を控えようか悩んでいます」と話した。
産業保健師の最初の対応として適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
Aさんは45歳の営業職で、BMI26.1の肥満と血圧148/92mmHgの高血圧があり、2か月前に減塩について説明を受けています。
妻が2週間家を空けることになり、料理が苦手なAさんは減塩の方法に悩んで自ら相談に来ました。
支援を始めるときは、まず本人がこれまでどう取り組んできたかを把握し、本人の力を生かせる方法を一緒に考えることが大切です。
【選択肢別解説】
1:× 減塩弁当の資料を渡すことは、最初の対応として適切ではありません。
Aさんの食生活やこれまでの取り組みを知らないまま情報を渡しても、実行できる方法になるとは限りません。
2:× 詳しい調理方法をすぐに教えることも、最初の対応として適切ではありません。
Aさんは料理が苦手と話しており、本人の状況を確かめずに調理法を教えても、負担に感じて続かないおそれがあります。
3:× 毎日料理を作るよう指示するのは適切ではありません。
料理が苦手なAさんに一方的に指示しても実行は難しく、本人の主体性を尊重した支援になりません。
4:○ 「Aさんがこれまで食事で気をつけてきたことを教えてください」が、最初の対応として適切です。
2か月前に減塩の説明を受けてからの取り組みを聞くことで、本人の理解度や実践していることがわかります。
できていることを認めて自信を高めたうえで、外食や総菜の選び方など、Aさんに合った方法を一緒に考えられます。
【ポイント】
保健指導は、情報を一方的に伝える前に、本人の取り組みや考えを聴くことから始めます。
本人のできていることを足場にすると、生活の変化があっても行動を続けやすくなります。