A さん(45 歳、男性)は製造業の B 社で営業職として勤務しており、妻と 2 人暮らしである。
定期健康診断の結果は、身長 175 cm、体重 80 kg、BMI 26.1、腹囲 80 cm、血圧 148/92 mmHg。
HbA1c 5.2 %、中性脂肪 90 mg/dL、LDL コレステロール 136 mg/dL、HDL コレステロール 45 mg/dL、血清尿酸値 5.5 mg/dL。
喫煙歴はなく、飲酒はビール 350 mL 程度を 1 回/週であり、先々月に産業保健師から減塩について説明を受けた。
1 年後、B 社は製品の販路拡大のため、営業職の社員を 2 年間の予定で海外に派遣することにした。
A さんは「今回、海外赴任することになりました。血圧が高くて薬を飲み始めました。そのおかげで血圧は下がっていますが、治療が継続できるか心配です」と産業保健師に相談した。
相談時の血圧は 126/78 mmHg であり、安定していた。
産業保健師の対応で適切なのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答3・5
解説
正解は3と5です。
Aさんは降圧薬の服用で血圧が126/78mmHgと安定していますが、2年間の海外赴任で治療を続けられるか心配しています。
産業保健師には、赴任先でも治療と健康管理を続けられるよう、受診先の情報提供や相談体制の整備で支援する役割があります。
【選択肢別解説】
1:× 赴任先での服薬内容を指示することは、保健師の役割ではありません。
薬の種類や量を決めるのは医師であり、保健師が指示することはできません。
2:× 血圧治療のセカンドオピニオンを提案する必要はありません。
現在の治療で血圧は十分に下がって安定しており、治療方針に疑問がある状況ではありません。
3:○ 赴任先で受診できる医療機関の情報を提供することは適切です。
現地で継続して受診できる医療機関がわかれば、薬が切れることなく治療を続けられます。
言葉の通じる医療機関や医療費の支払い方法なども含めて情報を伝えると、Aさんの不安が軽くなります。
4:× 産業医が赴任期間の治療薬を処方すると説明するのは誤りです。
産業医の職務は労働者の健康管理であり、治療や処方は主治医が行います。
5:○ 赴任中にテレビ会議システムで相談できることを説明するのは適切です。
離れた場所でも産業保健スタッフに相談できる体制があれば、体調の変化を早く把握でき、安心して赴任できます。
【ポイント】
海外派遣労働者には、派遣前の健康診断や赴任先の医療情報の提供、赴任中の相談体制づくりなど、継続した健康管理の支援が必要です。