A 市で震度 6 強の地震が発生した。
発災後 9 日目、立ち上げた 10 か所の避難所では、他自治体から派遣された保健師チームが、避難所の環境整備や避難者の健康観察を行っている。
A 市の保健師は派遣された保健師チームから「避難者の中で 6 割以上を占める高齢者は、区画されたエリアで日中座っていることが多い。内服薬があと数日でなくなる人も散見される。地震を思い出して夜間眠れないという声が増えてきた。乳幼児を連れた家族は家族だけの時間を持ちたいと言い車中泊に切り替えた人もいる。 日中、避難所に人が少ない時に、これまで見かけなかった人が避難所を覗いていたという声がある」という報告を受けた。
このときの A 市の保健師の活動で適切なのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
発災から9日目で、避難所での生活が長引くことで新たな健康課題が出てくる時期です。
報告からは、高齢者の活動量の低下、内服薬の不足、地震を思い出して眠れない人の増加、車中泊への移行、防犯上の不安などの課題が読み取れます。
A市の保健師は、自ら個別の作業を担うよりも、課題を整理して必要な専門職や関係機関につなぐ調整役を担います。
【選択肢別解説】
1:× 日中の見張り役は、保健師が担う役割ではありません。
防犯対策は、避難所の運営組織や警察と連携して対応します。
2:× 高齢者個々への直接支援を率先して担うのは適切ではありません。
個別の支援は派遣された保健師チームが担っており、A市の保健師は全体の課題を把握し、支援体制を調整する役割があります。
3:○ 災害派遣精神医療チーム(DPAT)の巡回を提案することが適切です。
地震を思い出して眠れないという訴えは、災害による心理的な反応であり、放置すると心の不調が長引くおそれがあります。
精神保健医療の専門チームにつなぐことで、専門的な心のケアを提供できます。
4:× 車中泊の家族への支援時間を減らすよう指示するのは誤りです。
車中泊では深部静脈血栓症(DVT)などの健康リスクが高まるため、むしろ健康観察を続ける必要があります。
5:× 残薬を保健師チームで管理するよう指示するのは適切ではありません。
内服薬の不足には、医療救護班や薬剤師と連携して処方を受けられる体制を整えることで対応します。
【ポイント】
被災地の保健師は、派遣チームから集まった情報をもとに課題を整理し、DPATや医療救護班などの専門職につなぐ統括・調整の役割を担います。