A さん(40 歳、女性、会社員)。
特定健康診査の結果は、身長 156 cm、体重 72 kg、BMI 29.6、腹囲 91 cm、血圧 140/90 mmHg、空腹時血糖 95 mg/dL、HDL コレステロール 38 mg/dL、中性脂肪 160 mg/dL、喫煙歴はない。
この結果から、特定保健指導の対象となり、保健師が初回面接をすることになった。
初回面接で、A さんから「 1 か月に 1 kg の体重減少を目標に、食事と運動の改善に取り組んでみたい」という発言が聞かれ、間食を減らすこと、毎日 8,000 歩を歩くことを目標とした。
初回面接から 2 週後に電話連絡したところ、A さんは「間食はしていないし、ご飯は小さなお茶碗に変えて 1 杯だけに減らしている。なかなか毎日 8,000 歩は歩けない。体重はあまり変わらない。こんな自分はだめだ」と話した。
A さんが始めた行動の継続を支援する保健師の対応で最も適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
特定保健指導を始めて2週後に「こんな自分はだめだ」と話す対象者に、行動の継続を支援する対応を問う問題です。
A さんは間食をやめ、ご飯を小さな茶碗1杯に減らすことはできています。
一方で、毎日8,000歩は歩けず、体重もあまり変わらないため、自分を否定的にとらえています。
できていることに目を向けて自己効力感を高めることが、行動の継続につながります。
【選択肢別解説】
1:× 「体重は増えていませんね」は、事実を述べてはいますが、A さんが自分で考えて取り組んだ努力を具体的に認める言葉ではありません。
自己効力感を高める効果は小さいです。
2:× 歩数の目標を下げる提案は、達成しやすくするための調整として検討することはありえます。
しかし、自分はだめだと感じている A さんに、できていないことを先に取り上げると、否定的な気持ちを強めるおそれがあります。
3:× 運動の効果を説明することは、一般的な情報提供にとどまります。
A さんの落ち込んだ気持ちや、すでにできている行動には触れていません。
4:○ 自分で考えてご飯の量を減らせていることを具体的に認めることが最も適切です。
成功体験を言葉で評価されることで、「自分にもできる」という自己効力感が高まり、行動を続ける意欲につながります。
【ポイント】
自己効力感を高める方法には、成功体験、代理体験(他者の成功を見る)、言語的説得(励まし・称賛)、生理的・情動的状態の改善があります。
保健指導では、できていることを具体的に認めることから始めます。