A君( 6 歳)は両親と 3 人家族で、現在保育所に通っている。
3 歳児健康診査の心理相談で療育教室への参加を勧められたが、これまで 2 回しか参加しておらず経過観察の対象となっている。
就学予定の小学校で行われた就学時健康診断で、A 君は常に動き回り目立つ存在だった。
健康診断後の面接では母親は A 君について「とても活発で元気な子なのですが、他の子のように座っていられないときもある」と話した。
面接を担当した教員は、A 君が学校で集団生活を送れるか不安に感じたため養護教諭に相談した。
教育委員会が主催して関係者と母親が A 君の就学先について協議を行い、小児科の専門医を受診してから判断することになった。
受診した結果、注意欠如・多動性障害 〈ADHD〉疑いと診断され継続的なフォローが行われることになった。
その結果を受けて再度、教育委員会で協議を行い A 君は地元の小学校の通常の学級に在籍することが決まった。
入学前の面談で母親は「なぜ A はあのように動き回るのでしょうか。病院に通うことになるとは思っていませんでした。私の育て方が悪かったのでしょうか。これからが心配です」と涙を浮かべながら話した。
このときの母親に対する養護教諭の発言で最も適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
母親は、A君の行動の理由が分からないこと、自分の育て方への自責の念、将来への不安を涙ながらに話しています。
ADHDは脳機能の特性によるもので、育て方が原因ではありません。
【選択肢別解説】
1:× 父親との話し合いを勧めても、母親の今の不安や自責の気持ちには応えていません。
話題をそらすことになり、母親の気持ちを受け止めたことになりません。
2:○ A君の行動や気持ちを一緒に理解していこうと伝えると、母親の「なぜ」という疑問に寄り添えます。
行動は特性によるものであると理解できれば、自責の念が和らぎ、学校と協力して支援する姿勢につながります。
3:× 3歳児健診での指摘を振り返らせると、療育教室に通わなかったことを責めるように受け取られます。
母親の自責の念を強めてしまいます。
4:× 保護者の集まりの紹介は、ピアサポートとして将来的に有効です。
しかし診断を受けて動揺している今の時点では早すぎます。
【ポイント】
発達障害の子どもの親には、まず気持ちを受け止め、子どもの特性を一緒に理解する姿勢を示します。
「育て方のせいではない」ことが伝わる関わりが大切です。