A君( 6 歳)は両親と 3 人家族で、現在保育所に通っている。
3 歳児健康診査の心理相談で療育教室への参加を勧められたが、これまで 2 回しか参加しておらず経過観察の対象となっている。
就学予定の小学校で行われた就学時健康診断で、A 君は常に動き回り目立つ存在だった。
健康診断後の面接では母親は A 君について「とても活発で元気な子なのですが、他の子のように座っていられないときもある」と話した。
面接を担当した教員は、A 君が学校で集団生活を送れるか不安に感じたため養護教諭に相談した。
入学直後、A 君は授業中に教室の掲示物が気になると急に立ち上がって触ったり、廊下の人の行き来をずっと見たりしていることが多い。
また、前の席の児童にいたずらをして担任から注意を受けると急に不機嫌になって教室を飛び出し、担任は目が離せないことが続いた。
同級生とのトラブルも多いため、教頭、特別支援教育コーディネーター、養護教諭、担任、スクールカウンセラーが集まって校内委員会を開催し対応を検討した。
A 君に対する学校の支援で適切なのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5です。
A君は掲示物や廊下の人の動きなど、周囲の刺激に注意がそれやすく、注意されると教室を飛び出しています。
ADHDの特性に合わせて、刺激を減らす環境調整と、気持ちを落ち着ける場の確保が有効です。
【選択肢別解説】
1:○ 教室の掲示物を少なくすると、A君の注意をそらす視覚的な刺激が減ります。
授業に集中しやすくなる環境調整として適切です。
2:× 他の児童との学習活動を減らすと、A君が集団の中で学ぶ機会や社会性を育てる機会が失われます。
排除につながる対応であり、適切ではありません。
3:× 大声で注意すると、A君はさらに興奮し、不機嫌になって飛び出す行動を強めます。
落ち着いた声で具体的に伝え、できたことをほめる関わりが有効です。
4:× 出入口の近くは人の出入りや廊下の様子が目に入りやすい席です。
刺激が増え、教室を飛び出しやすくなるため適切ではありません。
5:○ 教室を飛び出したときに安全に過ごせる居場所を決めておくと、A君の安全を確保できます。
気持ちを落ち着かせてから教室に戻れるよう支援できます。
【ポイント】
ADHDの子どもの座席は、刺激の少ない前方中央付近で、窓や出入口から離れた場所がよいとされます。
叱責よりも環境調整と肯定的な関わりが基本です。