Aさん(55歳、男性)は、妻(48歳、パート勤務)と長女(16歳、高校生)の3人暮らしである。
Aさんは会社員として勤務していたが、3年前に記憶力の低下を感じ医療機関を受診したところ若年性認知症と診断された。
今は退職し、就労支援事業所に通っているが、最近になり外出して道に迷い近所の住民に保護されたり、周囲に暴言を吐いたりするようになっていた。
妻は、Aさんの変化に不安を感じ地域包括支援センターへ相談に訪れた。
地域包括支援センターの保健師の対応で最も適切なのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
Aさんは若年性認知症と診断されていますが、最近になって道に迷う、暴言を吐くなどの行動・心理症状(BPSD)が出てきています。
妻は対応に不安を感じており、専門職が早期に家庭を訪問してアセスメントし、適切な医療・介護につなぐ支援が必要です。
【選択肢別解説】
1:× 若年性認知症は介護保険の特定疾病で、55歳のAさんも要介護認定を申請できます。
しかし症状の変化を評価し、どのような支援が必要かを見極める前に申請だけを勧めるのは、最も適切な対応ではありません。
2:× 症状への理解を促すことは大切ですが、それだけでは急に現れた行動・心理症状への具体的な支援にはつながりません。
妻の不安を解消するには専門的な評価と支援が必要です。
3:○ 認知症初期集中支援チームは、医師と医療・介護の専門職が自宅を訪問し、アセスメントや家族支援を集中的に行います。
行動・心理症状への対応に困っている事例も対象で、40歳以上であれば若年性認知症の人も対象になります。
4:× 認知症高齢者グループホームへの入所は、在宅生活を支える支援を十分に検討する前に提案するものではありません。
Aさんは家族と暮らしており、まず在宅での支援体制を整えることが優先です。
【ポイント】
認知症初期集中支援チームの対象は、40歳以上で在宅の認知症(疑いを含む)の人です。
医療・介護サービスにつながっていない人や、行動・心理症状への対応に苦慮している人が含まれます。
若年性認知症では、就労や経済面、子どもへの影響など、高齢者とは異なる課題にも目を向けます。