A さん(28 歳、経産婦)はオキシトシン点滴静脈内注射を使用し、体重 3,000 g の児を正常分娩で出産した。
分娩所要時間は 12 時間、会陰裂傷はⅠ度で縫合せず、産道損傷はない。
分娩時出血量は 400 mL だった。
分娩後 1 時間のバイタルサインは異常所見なく、出血量 30 mL、子宮底は臍下 1 横指であった。
分娩後 2 時間のバイタルサインは異常所見なく、出血量 50 mL であり、子宮底は臍下 1 横指で硬度は輪状マッサージにて良好であった。
尿意はなく、膀胱充満をわずかに触知した。
このときの A さんへの助産師の対応で適切なのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答2・3
解説
正解は2と3です。
Aさんは経産婦で、オキシトシンを使用して分娩し、分娩時出血量は400 mLでした。
分娩後2時間の時点でバイタルサインは正常、出血量は50 mLで、子宮収縮は輪状マッサージで良好になります。
尿意はありませんが、膀胱の充満をわずかに触れます。
【選択肢別解説】
1:× 内診を行う理由はありません。
産道損傷はなく、子宮収縮や出血量にも、腟内の血腫などを疑う所見がありません。
2:○ 膀胱が充満すると子宮収縮が妨げられ、弛緩出血の原因になります。
分娩後は尿意を感じにくいため、尿意がなくてもトイレ歩行を促して排尿させます。
3:○ オキシトシンの使用と経産婦であることは弛緩出血のリスク因子で、子宮収縮もマッサージでようやく良好になる状態です。
1時間後にも出血量と子宮収縮を観察し、異常を早く見つけます。
4:× 飲食を控える必要はありません。
全身状態は安定しており、水分と栄養をとることは回復を助けます。
5:× 弛緩出血のリスクがあるため、点滴静脈内留置針はすぐ抜去せず、緊急時に薬剤や輸液を投与できるよう残しておきます。
【ポイント】
分娩後2時間は異常出血が最も起こりやすい時期で、子宮収縮・出血量・膀胱充満・バイタルサインを繰り返し観察します。
膀胱充満は子宮収縮不良の原因として見落としやすい点です。