A さん(48 歳、未産婦)は身長 160 cm、体重 45 kg、BMI 17.6。
初経 12 歳。
元来、月経周期は 45〜60 日で不規則である。
35 歳のときに婦人科医院を受診し多囊胞性卵巣症候群、子宮筋腫と診断されたが、その後は自己判断で通院していない。
2 年前に甲状腺機能亢進症と診断され、内科医院に通院し内服治療中である。
半年前から不正性器出血があり、かかりつけの内科医に相談したところ、子宮体癌の疑いがあると言われた。
A さんの子宮体癌のリスク因子はどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5です。
子宮体癌(類内膜癌)の多くはエストロゲン依存性で、黄体ホルモンの作用を伴わないエストロゲンの長期刺激がリスクになります。
Aさんの背景から、エストロゲンに長くさらされる要因を探します。
【選択肢別解説】
1:○ 未産婦は子宮体癌のリスク因子です。
妊娠による高プロゲステロンの期間がなく、子宮内膜がエストロゲンの刺激を受け続けるためです。
2:× 子宮筋腫は子宮体癌のリスク因子ではありません。
どちらもエストロゲンの影響を受けますが、筋腫から体癌が生じるわけではありません。
3:× BMI 17.6はやせであり、リスク因子ではありません。
肥満は脂肪組織でエストロゲンが産生されるためリスク因子になりますが、やせは該当しません。
4:× 甲状腺機能亢進症は子宮体癌のリスク因子ではありません。
5:○ 多囊胞性卵巣症候群は子宮体癌のリスク因子です。
排卵が起こりにくく黄体ホルモンが分泌されないため、子宮内膜がエストロゲンの刺激を受け続けます。
Aさんの月経周期が45〜60日と不規則なのも、排卵障害を反映しています。
【ポイント】
子宮体癌のリスク因子は、未産、肥満、糖尿病、高血圧、閉経が遅いこと、排卵障害、エストロゲン単独療法、タモキシフェンの服用です。
閉経前後の不正性器出血は、子宮体癌の重要な初発症状です。