産褥 14 日の褥婦は、急な熱感、疲労感および腰部右側に強い痛みが出現し、受診した。
体温 38.7 ℃、乳房緊満(+)、乳汁分泌は良好。
腹壁から子宮は触れず、子宮体部の圧痛はない。
腰背部の叩打痛がある。
淡黄色の悪露が極少量ある。
このとき考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
産褥14日の褥婦に、急な高熱と右の腰背部の強い痛み、腰背部の叩打痛がみられます。
子宮は腹壁から触れず圧痛もなく、乳汁分泌は良好です。
【選択肢別解説】
1:× 産褥熱は子宮内感染が原因で、子宮体部の圧痛や悪臭のある悪露、子宮復古不全を伴います。
本例は子宮の圧痛がなく、悪露も淡黄色で少量のため否定的です。
2:× 胆石症は、右上腹部(季肋部)の痛みが特徴で、脂肪の多い食事の後に起こりやすくなります。
腰背部の叩打痛は典型的ではありません。
3:× 乳腺炎では、乳房の一部の発赤、硬結、熱感、圧痛がみられます。
本例の乳房緊満は授乳期として通常の範囲で、局所的な炎症所見の記載はありません。
4:○ 腎盂腎炎は、細菌が尿路を上行して腎盂と腎実質に感染する疾患です。
高熱と片側の腰背部痛、肋骨脊柱角の叩打痛が特徴で、本例の所見と一致します。
【ポイント】
産褥期は膀胱の感覚低下や導尿などにより尿路感染症を起こしやすい時期です。
産褥期の発熱では、子宮・乳房・尿路・創部・血栓などを系統的に確認します。