生後 18 時間の男児。
在胎 41 週0日、出生体重 4,250 g で出生した。
全身状態は良好で、哺乳を開始しており、哺乳力も問題ない。
診察時、Moro〈モロー〉 反射が左右非対称で左の反射が欠如していた。
上肢の触診で特定の場所を痛がる様子はなく、局所性の発赤・腫脹も認めない。
次に確認する児の所見で最も重要なのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
出生体重4,250 gの巨大児で、Moro反射が左だけ欠如しています。
触診で痛みや腫れがないことから鎖骨骨折は考えにくく、腕神経叢麻痺を疑う場面です。
【選択肢別解説】
1:○ 腕神経叢麻痺には、上位(C5〜C6)の障害で肩と肘が動かないErb麻痺と、下位(C8〜Th1)の障害で手指が動かないKlumpke麻痺があります。
Erb麻痺では手掌把握反射が保たれ、Klumpke麻痺や全型麻痺では消失するため、障害部位の判別に最も重要です。
2:× スカーフ徴候は、腕を首に巻き付けるように引いたときの肘の位置で、筋緊張や成熟度を評価する方法です。
麻痺の部位の判別には用いません。
3:× 引き起こし反射は、仰臥位から引き起こしたときの頸部の筋緊張を見るものです。
上肢の神経麻痺の評価には適しません。
4:× Landau反射は生後数か月以降に出現する反射で、新生児期には評価できません。
5:× Babinski反射は足底をこすって見る下肢の反射です。
新生児では陽性が正常で、上肢の麻痺の評価には関係しません。
【ポイント】
巨大児は肩甲難産による腕神経叢麻痺や鎖骨骨折を起こしやすくなります。
Moro反射の左右差を見たら、鎖骨の圧痛・腫脹と、把握反射の有無を確認しましょう。