A さん(30 歳、初産婦)。
既往歴や生活歴に特記すべき事なく、妊娠経過中、母子ともに異常の指摘はなかった。
妊娠39週1日、頭位経腟分娩で男児を出生した。
児の Apgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点、初期蘇生は行わずルーチンケアのみ行って終了したが蘇生の際の診察で左の口唇裂を認めた。
出生体重 2,950 g。
生後 10 分の児のバイタルサインは、体温 37.2 ℃、呼吸数 50/分、心拍数 160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92 %(room air)であった。
A さんは以前より早期母子接触を希望していた。
早期母子接触前の児への対応として適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
児は正期産で Apgar スコアも良好で、蘇生は行っていません。
生後 10 分の体温 37.2 ℃、呼吸数 50/分、心拍数 160/分は正常で、SpO2 92 % も生後 10 分の目安(85〜95 %)の範囲内です。
口唇裂はありますが、早期母子接触はできます。
【選択肢別解説】
1:× 口唇裂だけで呼吸や哺乳に差し迫った問題はなく、早期母子接触の前に経鼻胃管を挿入する必要はありません。
2:× SpO2 は生後 10 分として正常範囲であり、酸素投与は必要ありません。
3:× 体温は正常で、閉鎖式保育器に収容する理由はありません。
保育器への収容は母子接触の妨げにもなります。
4:× 呼吸状態は安定しており、胸部エックス線撮影を急ぐ所見はありません。
5:○ 早期母子接触の間は、パルスオキシメータで SpO2 を継続してモニターし、医療者が児の状態を観察します。
【ポイント】
早期母子接触は、児の状態が安定していることを確認したうえで行い、実施中は SpO2 モニターの装着と継続的な観察で、呼吸の異常などの急変に備えます。