A さん(75 歳、男性)は妻と 2 人暮らし。
妻が町の保健センターに来所し「夫の飲酒量が増え、泥酔して近隣の人と口論することが多く、私が毎日のように近隣へ謝罪に行っている。私は足が悪いので、重いお酒を買いに行くことがつらいが、お酒がないと夫が怒鳴るため毎日買いに行っている。どうしたらよいか」と保健師に相談した。
保健師が妻へ提案する内容で適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
飲酒による問題を起こす夫に対応し続けて疲れている妻への提案を問う問題です。
A さんは75歳で飲酒量が増え、泥酔して近隣と口論しています。
妻は足が悪いにもかかわらず、毎日お酒を買いに行き、近隣への謝罪も続けています。
妻の行動は、夫が飲酒の問題に直面する機会を奪い、結果として飲酒を続けさせてしまう「イネイブリング」にあたります。
【選択肢別解説】
1:× 民生委員に相談して隣人との関係を取り持ってもらうことは、妻がしている謝罪を他の人が肩代わりすることになります。
夫が自分の飲酒の問題に向き合う機会にはつながりません。
2:○ A さんの飲酒によるトラブルへの対応をしないことを提案します。
妻が謝罪やお酒の買い出しをやめることで、A さんは飲酒の結果に自分で直面することになり、問題に気づくきっかけになります。
妻自身の心身の負担を減らすことにもつながります。
3:× 妻の要介護認定の申請は、足の悪さへの対応として将来的に検討することはありえます。
しかし、相談の中心である夫の飲酒問題への対応にはなりません。
4:× 適正飲酒量を学ぶことは、アルコール依存症が疑われる状態の解決策としては不十分です。
依存症の治療の基本は断酒であり、飲酒量の調整を学ぶことは優先されません。
【ポイント】
アルコール問題を抱える人の家族への支援では、イネイブリングをやめることが重要です。
家族自身が家族会や自助グループ、専門機関の相談を利用できるよう支援します。