A さん(85 歳、男性)は息子(50 歳)と 2 人暮らしで、介護保険サービスを利用していない。
民生委員から市役所の保健師に「A さんが最近痩せてきて、着替えもできていない様子。ここ数日見かけない。息子はたまにアルバイトをしているがほとんど A さんの年金で生活をしている」と相談があった。
保健師が民生委員と一緒に自宅を訪問すると、A さんはごみが散乱している居間に寝ていた。
息子は「父親の夕食は自分が弁当を買ってきている。朝食や昼食は夕食の弁当の残りを食べている」と言う。
A さんは失禁がみられ、数週間入浴もしていないようであった。
この事例への対応の緊急度を判断するための情報で最も重要なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
A さんは85歳で、痩せてきている、着替えができない、ごみの散乱した居間に寝ている、失禁がある、入浴していないという状況です。
食事は夕食の弁当の残りで済ませており、十分な食事がとれていない可能性があります。
介護放棄(ネグレクト)が疑われ、生命に危険があるかどうかで緊急度を判断します。
【選択肢別解説】
1:× 年金額は、経済的虐待の有無や今後の支援を考える際に必要な情報です。
しかし、いま生命に危険が迫っているかどうかの判断には直接関係しません。
2:× 別居家族の有無は、今後の支援者を考えるうえで必要な情報です。
ただし、緊急度を判断する情報としての優先度は低いです。
3:× 息子の健康状態は、介護力を評価するうえで重要な情報です。
しかし、まず確認すべきなのは被害を受けている可能性があるAさん本人の状態です。
4:○ Aさんは最近痩せてきており、食事も不十分です。
低栄養や脱水が進むと生命に危険が及ぶため、栄養状態は緊急度の判断に最も重要な情報です。
【ポイント】
高齢者虐待の緊急度は、生命や身体に重大な危険が生じているかどうかで判断します。
低栄養、脱水、褥瘡、意識状態などは、緊急の保護が必要かを判断する重要な観察項目です。