製造業の A 社は従業員 500 名、平均年齢 42 歳である。
高年齢労働者は現在 20 名だが、会社は高年齢労働者の活用を進めていく方針である。
製造現場で働く従業員(63 歳、男性)が工場内の通路で転倒する事故が起きた。
事故後に、A 社の保健師が安全管理者と面談した。
安全管理者は「怪我が大したことなくてよかったが、どこで転ぶか分からないから怖い。貼り紙など注意喚起を行ってきたのに事故が起きた。高年齢労働者を製造現場で働かせるのは不安だ」と保健師に話した。
A 社の保健師は、高年齢労働者の数名を対象とした事故予防の聴取の際に、仕事のやりがいや職場への思いについても聞いた。
「技能を生かして同じ場所で働けるのは安心」という肯定的な意見とともに、「契約の変更で給与が下がり、働きが評価されていない」 「若い上司の指示に従うのは抵抗がある」 「後輩たちから尊重されていない」という職場への不満が聴取された。
この情報をもとに保健師が企画する内容で優先度が高いのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
高年齢労働者からは、評価されない、若い上司との関係、後輩から尊重されないという職場の人間関係や処遇への不満が聞かれました。
これらは職場の管理や組織風土の問題であり、管理職への働きかけが優先されます。
【選択肢別解説】
1:× ストレスコーピング学習会は、高年齢労働者個人の対処能力を高める取り組みです。
不満の原因は職場の処遇や関係性にあるため、個人への働きかけだけでは解決しません。
2:× アサーショントレーニングは、自分も相手も尊重した自己表現を身につける研修です。
若手だけを対象にしても、上司や評価の問題には対応できません。
3:○ 管理職が高年齢労働者の働き方や経験の生かし方を考えることで、評価のあり方や職場での関わり方が改善されます。
職場全体の環境を整えることにつながるため、優先度が高いです。
4:× ストレスチェックの集団分析は部署ごとの傾向を示すものです。
今回聴取された高年齢労働者特有の不満に直接対応するものではありません。
【ポイント】
職場のメンタルヘルス対策では、問題の原因が組織にあるときは管理監督者への教育(ラインケア)が優先されます。
高年齢労働者の経験や技能を尊重し、生かせる職場づくりが大切です。