A さん(32 歳、男性)は 20 歳からたばこを吸い続けていたが、妻の妊娠で両親学級に参加し、たばこによる胎児への影響が深刻であることを知り、これを機に禁煙しようと思った。
A さんは両親学級が終わった後、会場にいた保健師に「禁煙しようと思うのですが、良い方法はありますか」と尋ねた。
A さんの現在の行動変容ステージに最も適した保健師の提案はどれか。
「禁煙のための知識を学びませんか」 「喫煙所の近くに行かないようにしましょう」 「禁煙に成功した人の経験を聞いてみませんか」 「まず今日一日たばこを吸わずに過ごしてみましょう」 「禁煙できた時の自分へのご褒美を考えてはどうでしょう」 購入状況を確認しています… 正答 1
解説 正解は1です。
トランスセオレティカルモデルでは、行動変容の段階に応じた働きかけ(変容プロセス)を行うことが効果的とされます。
Aさんは両親学級で胎児への影響を知り、これを機に禁煙しようと思った段階で、まだ具体的な方法や開始時期は決まっていません。
禁煙の意思が芽生えたばかりで方法を尋ねている段階であり、本問ではまず禁煙の方法についての知識を得ることが適切とされています。
【選択肢別解説】
1:○ 禁煙の意思が生まれたばかりのAさんは、禁煙の方法をまだ知りません。
禁煙補助薬や禁煙外来などの知識を学ぶこと(意識の高揚)は、具体的な行動につなげる準備として適しています。
2:× 喫煙所の近くに行かないことは、喫煙のきっかけとなる刺激を避ける刺激統制で、禁煙を始めた実行期や維持期に用いる方法です。
3:× 禁煙に成功した人の経験を聞くことは、自信を高めたり行動の継続を支えたりする働きかけです。
まず方法の知識を求めているAさんにとって、最も適した提案ではありません。
4:× 「今日一日吸わずに過ごす」ことは、実際に禁煙を開始する働きかけです。
方法を知らないまま始めると失敗しやすく、まず知識を得ることが先です。
5:× 禁煙できたときのご褒美を考えることは、行動を続けるための強化(褒美)で、実行期や維持期に用いる方法です。
【ポイント】
無関心期・関心期には意識の高揚や自己の再評価、準備期には自己の解放(決意の表明)、実行期・維持期には刺激統制や強化マネジメントが有効です。
対象者がどの段階にいるかを、発言や行動から読み取ることが出題の鍵です。