正答4
解説
正解は4です。
賃料債務が消滅する場面として、時効、弁済の提供、供託、敷金の充当を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 消滅時効は、期間が経過しただけでは効果が生じません。
時効の利益を受ける賃借人が援用しなければ、裁判所は時効による消滅を前提にできません(民法145条)。
「特段の手続きを要することなく」免れるとする点が誤りです。
2:× 持参払いの賃料を持参して受領を拒まれた場合、弁済の提供にはなります(民法492条、493条)。
弁済の提供により履行遅滞の責任は免れますが、賃料債務そのものは消滅しません。
債務を消滅させるには、受領拒絶を理由に供託する必要があります(民法494条)。
3:× 供託するには、債務の本旨に従った弁済の提供をしたのに受領を拒まれたことなどが必要です。
口座振込の約定なのに賃貸人宅へ持参しても、本旨に従った弁済の提供とはいえません。
そのため受領を拒まれても供託の要件を満たさず、賃料債務を免れません。
4:○ 賃借人が賃料を支払わないとき、賃貸人は敷金をその債務の弁済に充てることができます(民法622条の2第2項)。
この充当に賃借人の承諾は不要で、充当した分の賃料債務は消滅します。
なお、賃借人の側から敷金を賃料に充てるよう請求することはできません。
【ポイント】
弁済の提供は遅滞の責任を免れるだけで、債務を消滅させるのは弁済か供託です。
敷金の充当は賃貸人だけが行える一方向の権利です。