Aを貸主、Bを借主とする建物賃貸借契約においてBが死亡した場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
ただし、それぞれの選択肢に記載のない事実及び特約はないものとする。
正答3
解説
正解は3です。
建物の借主が死亡した場合の賃借権の承継(相続、内縁配偶者の保護、公営住宅)を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 相続人がいる場合、賃借権は相続人が承継します。
同居していた内縁の妻は、判例により相続人の賃借権を援用して居住を続けることができます。
したがって、貸主からの明渡し請求を拒むことができます。
2:× 相続人がいない場合、事実上の夫婦として同居していた者は借主の権利義務を承継します(借地借家法36条1項)。
内縁の妻は賃借人として居住を続けられるので、明渡しを拒むことができます。
3:○ 公営住宅の使用権は、入居者の資格を審査して与えられるものです。
判例(最判平2.10.18)は、入居者が死亡しても、相続人が当然に使用権を相続によって承継することはないとしています。
4:× 相続人がいない場合でも、賃借権は当然には消滅しません。
同居者がいれば借地借家法36条により承継され、いなければ相続財産法人に帰属します。
【ポイント】
借地借家法36条の承継は「居住用建物」「相続人なし」「事実上の夫婦・養親子と同様の同居者」が要件です。
同居者は、死亡を知ってから1か月以内に反対の意思を表示すれば、承継を拒むことができます。