賃貸人Aは賃借人Bに対して、賃料(共益費込み)月額金10万円、当月分前月末日払い、遅延した場合は年10%の遅延損害金を請求できる旨の約定でアパートの一室を賃貸した。
Bは、令和2年10月分、同年11月分及び同年12月分の賃料を滞納したが、同年12月15日、Aに金20万円を持参した。
この場合、賃料の充当に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
3か月分の賃料と遅延損害金がある中で、2か月分の20万円が支払われた事例で、弁済の充当(民法488条〜491条)が問われています。
【選択肢別解説】
1:× 弁済の充当の規定は任意規定です。
当事者が充当の順序について合意すれば、その合意に従って充当されます(490条)。
2:○ 弁済者が充当を指定しないときは、弁済を受領する者が受領の時に充当を指定できます(488条2項)。
ただし、弁済者が直ちに異議を述べたときは、この指定は効力を持ちません。
記述は正しいです。
3:× 弁済者は、給付の時に、どの債務に充当するかを指定できます(488条1項)。
Bは、10月分の賃料と同月分の遅延損害金に優先的に充当するよう指定できます。
4:× 元本のほかに利息・費用を支払うべき場合、費用、利息、元本の順で充当されます(489条1項)。
遅延損害金は利息と同じ扱いになるので、「遅延損害金、元本、費用」の順ではありません。
【ポイント】
充当の優先順位は、まず当事者の合意、次に弁済者の指定、その次に受領者の指定、最後に法定充当です。
ただし、費用・利息・元本の間の順序(489条1項)は、合意がない限り指定によって変えることはできません。
合意による充当は、2020年4月施行の改正民法で明文化されました(490条)。