正答3
解説
正解は3です。
借主が賃貸物件に支出した費用の償還請求(必要費・有益費)と、造作買取請求権を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 必要費は、契約の終了を待たずに、支出後直ちに償還を請求できます。
雨漏りの修繕は、本来貸主が負担すべき修繕であり、その費用は必要費に当たります(民法606条1項、608条1項)。
「契約の終了時に」請求できるとされているのは、有益費のほうです。
2:× ガラス修理業者は、貸主に対して必要費償還請求権を行使できません。
必要費償還請求権は、賃貸借契約に基づいて借主が貸主に対して持つ権利です。
修理業者の契約の相手方は借主なので、業者は借主に修理代金を請求することになります。
3:○ 有益費は、契約終了時に価格の増加が現存する場合に限り、償還を請求できます(民法608条2項)。
償還額は、支出した費用と増加額のどちらかを、貸主が選択して決めます(民法196条2項)。
裁判所は、貸主の請求により、償還について相当の期限を与えることもできます。
4:× 造作買取請求権を排除する特約は有効です。
借地借家法37条は、借主に不利な特約を無効とする規定の対象に、33条(造作買取請求権)を含めていません。
そのため、造作買取請求権は任意規定とされ、排除する特約も有効です。
【ポイント】
必要費は「直ちに」、有益費は「契約終了時に・増加が現存する場合に・貸主の選択で」と対比して覚えましょう。
造作買取請求権は任意規定なので、実務の契約書では排除特約を置くことが一般的です。