Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」 という。)が締結された直後にAが死亡し、CがAを単独相続した場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
契約の当事者が死亡し、相続人が当事者の地位を包括的に承継した場合の法律関係を問う問題です。
相続人は、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します(民法896条)。
【選択肢別解説】
1:× 債務者が債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、催告なしで直ちに解除できます(民法542条1項2号)。
催告が必要とする点が誤りです。
2:× 売買契約の解除権は、売主の一身に専属する権利ではありません。
CはAの売主としての地位を承継するため、Bの代金不払を理由に解除できます(民法541条、896条)。
3:× 相続人Cは売主Aの地位をそのまま承継するため、Bとの関係では契約当事者と同じ立場にあります。
CはBに対抗要件の欠缺を主張できる「第三者」(民法177条)に当たりません。
したがって、Bは登記がなくてもCに引渡しを請求できます。
4:○ Bは、Aの詐欺を理由に本件契約を取り消すことができます(民法96条1項)。
Cは売主の地位を包括的に承継しているので、Bは取消しをCに主張できます。
【ポイント】
相続人は被相続人と同一の地位に立つため、登記の有無を問題にする「第三者」にはなりません。
解除権・取消権の行使の相手方も、相続によって地位を承継した相続人になります。