甲土地につき、A、B、C、Dの4人がそれぞれ4分の1の共有持分を有していて、A、B、CのいずれもDの所在を知ることができない場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
なお、Dの共有持分は、相続財産には属していないものとする。
正答3
解説
正解は3です。
共有物の変更・管理・保存の要件と、所在等不明共有者がいる場合の特則を問う問題です。
2023年4月施行の改正民法で、所在不明の共有者がいる場合の制度が整備されました。
【選択肢別解説】
1:× 形状又は効用の著しい変更を伴う変更には、共有者全員の同意が必要です(民法251条1項)。
「過半数の同意」とする点が誤りです。
なお、所在等不明共有者がいる場合は、裁判所の決定を得れば他の共有者全員の同意で変更できます(民法251条2項)。
2:× 無権利者Eに対する登記の抹消請求は、共有物の保存行為に当たります。
保存行為は、各共有者が単独ですることができます(民法252条5項)。
ほかの共有者の同意は不要です。
3:○ 資材置場とする土地の賃貸借で期間が5年以内のものは、管理行為として扱われます(民法252条4項2号)。
管理に関する事項は、各共有者の持分の価格の過半数で決定できます(民法252条1項)。
A、B、Cの持分の合計は4分の3で過半数となるため、3人の同意で契約を締結できます。
4:× 所在等不明共有者の持分を取得した共有者に対し、Dは時価相当額の支払を請求できます(民法262条の2第4項)。
しかし、この請求を「決定から3年以内に限る」とする規定はありません。
期間を限定している点が誤りです。
【ポイント】
共有物の扱いは「変更=全員」「管理=持分の過半数」「保存=単独」が基本です。
土地の賃貸借は5年以内、建物の賃貸借は3年以内なら管理行為として過半数で決められます。