2018年度 宅地建物取引士試験 問7
債権譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
正答2
解説
正解は2です。 出題当時の民法466条2項による債権の譲渡禁止特約の効力と、判例の考え方を問う問題です。 この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。 【選択肢別解説】 1:× 正しい記述です。 旧民法466条2項ただし書により、譲渡禁止特約は善意の第三者に対抗できません。 判例は、重大な過失は悪意と同様に扱い、重過失ある譲受人は債権を取得できないとしています(最判昭48.7.19)。 2:○ 誤った記述です。 判例は、譲受人が悪意でも、転得者が善意・無重過失であれば転得者は有効に債権を取得するとしています。 したがって、債務者は善意・無重過失の転得者に特約を対抗できません。 3:× 正しい記述です。 判例は、譲渡禁止特約は債務者の利益を守るためのものだとしています(最判平21.3.27)。 そのため、特約に反して譲渡した債権者自身は、債務者に無効を主張する意思が明らかな場合などを除き、譲渡の無効を主張できません。 4:× 正しい記述です。 譲渡禁止特約のある債権に質権を設定した場合も、債権譲渡と同様に扱われます。 質権者が特約について悪意であれば、質権設定は無効となります(判例)。 【ポイント】 特約の対抗の可否は、取得者ごとにその者の善意・無重過失で判断します。 現行法では、譲渡制限特約があっても債権譲渡自体は有効とされ、債務者は悪意・重過失の譲受人に対して履行を拒めるという仕組みに変わっています(民法466条2項・3項)。法改正による注意
正答と採点は出題当時の正解によります。
肢1と肢4は、2020年4月施行の改正民法により、現行法では誤った記述です。改正前は、譲渡禁止特約に反する債権譲渡は悪意・重過失の譲受人との関係で無効とされていました。現行法では、譲渡制限の意思表示があっても債権の譲渡は有効で(預貯金債権を除く)、債務者は悪意・重過失の譲受人その他の第三者に履行を拒めるにとどまります。そのため、悪意・重過失の譲受人も債権を取得し(肢1)、譲渡できる債権なので悪意の質権者への質権設定も無効にはなりません(肢4)。現行法では肢1と肢4も誤った記述となり、正解が一つに定まらないため、この問題は成立しません。 根拠:民法第466条第2項・第3項(2020年4月1日施行)、第343条 (2026年10月時点の法令による)