甲マンションの 101 号室を所有者Aから賃借したBが、その不注意により風呂の浴槽から溢水させて同室内の床を水浸しにしたため、床の修繕が必要になった場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
ただし、101 号室は契約の内容に適合していない点はなかったものとする。
正答1
解説
肢1は誤り。
賃借人の債務不履行によって生じた損害の賠償請求権は、一般の消滅時効のルールではなく、貸主が目的物の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならないとする特則がある(民法600条、622条による準用)。
「Aが知った時から3年」とする本肢は、この特則を踏まえていない点で誤り。
肢2は正しい。
賃貸人は、賃借人の債務不履行による損害賠償債権について、敷金をその弁済に充当することができる(民法622条の2第2項)。
肢3は正しい。
賃借人が賃貸人に修繕の必要を通知したにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、賃借人が自らその修繕をすることができる(民法607条の2)。
肢4は正しい。
溢水させたのが賃借人Bの同居の配偶者Cであっても、Cは自らの不法行為につき損害賠償責任を負い、Bも賃借人としての善管注意義務違反等に基づく責任を免れない。
よって正解は肢1。